活動報告
6.112016
第2期がんライフアドバイザー®養成講座
第2期がんライフアドバイザー養成講座、第1期に続き満席となっておりましたが…
一人でも多くの方に受講いただくことが、一人でも多くの患者さん繋がるという思いで、増席してご対応させていただくことになりました。
改めまして、がんライフアドバイザー®とは…
「治療費が払えない」「治療が辛い」という言葉の裏側に、患者さんやご家族にどのような暮らしがあり、お金や仕事といった社会的な困りごとがあるのでしょうか。
患者さんが自分らしく生きるためには、身体的や精神的な痛みと同じく、お金や仕事といった社会的な痛みを取り除く治療も不可欠です。
治療に前向きになる…
生きる目標を見出せる…
就労環境や家族関係が良好になる…
残された人生を悔いなく過ごす…
社会的な痛みの緩和は、患者さんのトータルペインの緩和に導くことができます。
がんライフアドバイザー®は、患者さんやご家族が抱える問題と向き合い、「生命」「人間関係」「仕事」そして「お金」に対する想いをトータルにカウンセリングして自分らしい生き方を提案する、がん患者さんとご家族のパートナーです。
1日目
概論・がんと生活設計・がんと保険・相続と贈与・がん医療・社会保障・就労支援・症例と処方箋という8項目のカリキュラム。
5週連続、1日7時間の講座となっております。
2日目
2日目は土井講師による『がんと保険』の講座が行われました。
がん患者さんの相談には欠かせない保険。
患者さんがお話をされる時には、保険料の支払いが厳しく、既に生命保険を解約されてしまってるケースも少なくありません。
解約の前に、SOSをキャッチできれば、何か違ったアドバイスができたのではないだろうか…。
SOSのキャッチのために、保険の仕組みから、保障内容の確認、保険の見直し法や活用法、がん患者さんでも加入できる保険など、引き出しとして持っておきたい保険の知識はたくさんあります。
実践で使えることを、いかに一方通行の講義にならずに楽しくお伝えしていくか、講師も工夫を凝らしていて、受講者の皆さんは真剣です。
3日目
3日目の午前は生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ氏による『相続と贈与』の講義が始まりました。
大きな病気をしてこそ考える、自分の命の終わりへの向き合い方。
患者さんの気持ちを自分に置き換えてみるところから、講義はスタートしました。
分かりやすく面白く語るいちのせ氏の講義に、受講者の皆さんは引きつけられています。
午後からは医師の若尾文彦先生による『がん医療』の講義でした。
がん患者さんの相談を受けるにあたり知っておきたい知識を、医療者向けの資料やがん情報サービスのホームページも使って、4時間熱弁いただきました。
『がん情報サービス』というウェブサイトは、患者さんやその家族だけでなく、医療専門家に対しても、がんについて信頼できる最新の正しい情報を分かりやすく紹介しているサイトです。
『がん情報サービス』WEBサイト
そのサイトの活用法を、サイトを作成している先である国立がん研究センター がん対策情報センターのセンター長である若尾先生に教わったというのは、受講者の皆さんにとって非常に得るものが多かったようです。
この講義に若尾先生が準備くださった資料は200ページ近く。
受講者の方からは、「これらの資料を復習し、がん医療の様々な背景を頭に入れた上で患者さんのお話を聞いていきたい」という感想もありました。
4日目
「就労支援によって、患者さんが解決に向けて自分で動こうとすることに繋がるんです」と藤田氏。
4日目の午後は『がんになっても皆が幸せに働くことができる社会づくり』をビジョンに掲げているCSRプロジェクトの社会保険労務士、藤田久子氏から、就労支援を学んでいます。
グループに分かれてのケーススタディもあり、実践的な講義。
患者さんが抱える背景を様々な角度で捉えて確認していく意見が、活発に飛び交っています。
5日目
これまで4日間でお伝えしたことを踏まえ、実際の症例に対し、どのような視点を持ってご相談をお受けするか、実践的な講義を行っています。
年金生活者の症例
派遣社員で働く独身女性の症例
働き盛りの個人事業主の症例
など、10パターンを取り上げ、医療者ができる社会的側面のサポートを、皆で考えています。
メイン講師は、がん看護専門看護師である西村裕美子氏でした。
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