医療・介護従事者の方へ

代表理事から医療・介護従事者のみなさんへ

『お金や仕事の問題といった社会的苦痛の緩和も治療の一貫』

これを理念とし、患者さんの病状や治療の理解の上に、お金や仕事に関する制度や知識の引き出しを持って、がん患者さんやその家族の相談に応じられる医療従事者や介護従事者を、一般社団法人がんライフアドバイザー®協会は「がんライフアドバイザー®」として養成・認定しています。

手術を終えた乳がんの女性が「お金がないから、これ以上の治療はしたくない」とおっしゃるので、相談に応じてほしいと依頼がありました。がんライフアドバイザー®が話を聞いたところ、「お金がない」とは貯蓄がないという意味ではありませんでした。貯蓄は子供の大学進学や車の買換えなど家族のお金であり、自分のがん治療のために使うことは申し訳ないと思う気持ちから、「お金がない」とおっしゃったことが分かりました。また抗がん剤は貯蓄を切り崩すほど高額であるという思い込みがあり、さらに主治医から術後補助化学療法は再発予防のためと説明を受けたことで、治療ではなく予防と捉えてしまっているために、お金を使って治療を受けることに抵抗を感じていました。

がんライフアドバイザー®は、不安を解消させるために、予定している治療に伴うお金、高額療養費制度や加入している健康保険による保障をこの女性と一緒に確認し、これからかかるお金の見通しを立てました。ただ漠然と高額だと思い込んでいたものが、具体的な数字となったことで「この金額なら、貯蓄を切り崩すことなく、自分のパート代と医療保険から出る保険金で賄えそう」とおっしゃり、女性は治療を受けることを決めました。パートを継続できるように治療スケジュールを立てましょうと話しているうちに、女性の表情は一気に明るくなり、これからの自分のために、家族のために、といった前向きの言葉がどんどん出始めました。

セント・クリストファー・ホスピスの創始者であるシシリー・ソンダースは、がん患者さんの苦痛を身体的・精神的・社会的・スピリチュアル(霊的)の4つの視点でとらえる概念を提唱しています。この中で、社会的苦痛がお金や仕事、家族や職場の人間関係などの問題を指します。事情はそれぞれでしょうが、がんと向き合った時、誰もが社会的苦痛を避けられないのが現実でしょう。がん治療は点ではなく、終わりが読めにくい線であるからこそ、患者さんは社会的苦痛を抱えていると思われます。

相談支援センターでは、がん相談員の方が社会的な相談にも応じてくださっています。しかし、相談という形に気構えしてしまう患者さんも少なくないでしょう。まずは患者さんの身近にいる医療・介護従事者が、診察中や病棟や化学療法室などのベッドサイド、薬局などの医療・介護現場において、会話の中でふと漏らすお金や仕事への不安を拾い上げ、がん相談員や適切な専門家に繋げる意識を持ってくださることが望ましいと考えます。がんライフアドバイザー®の研修会では、その役割を果たすために必要となる、ある程度のお金や仕事に関する制度や知識、ノウハウをお伝えしています。

がんと共に暮らすこの時代、身体的や精神的な痛みと治療するのと同じように、社会的な痛みにも応じることは、がん患者さんにとって大切な一つの治療です。医療・介護現場でがんライフアドバイザー®が必要であると思いませんか?

一般社団法人がんライフアドバイザー協会 代表理事 川崎由華

がんライフアドバイザー®の役割と活動

がん患者さんのトータルペインの緩和を目指す

治療や自分自身に対して前向きになれなかったり、家族や職場での人間関係に悩んでいる根本には、お金や仕事といった社会的苦痛を抱えているケースも少なくありません。
社会的苦痛を緩和させるところから、トータルペインの緩和に繋げ、患者さんが自分らしくがん晴れる道しるべを見つけられるような支援をします。

がん患者さんの暮らしから相談に応じる

がん患者さんの就労相談に対し、単に就業規則や職場環境、治療スケジュールなどで応じるのではなく、マネープランやライフイベントといった家族を含めた暮らしから考えていく真の就労支援を目指します。

公的制度だけでの対応にとどまらず、家計から見直す提案をする

がん患者とその家族のお金の不安に対し、公的制度の利用だけでは緩和されないケースも少なくなく、家計から見直していく必要があります。病状や治療法の知識を踏まえたうえで、お金の不安に対して出せるご提案を、ご患者や家族の想いも一緒にそれぞれの専門家に連携します。

子どもたちに対し、がんを通して見えるいのちとお金を伝える

がんは誰がいつ罹患してもおかしくありません。罹患したからといって不幸ではありません。いつか、自分自身あるいは家族ががんに罹患した時に、自分らしくがん晴れる道しるべを見つけられるよう、子どもに対して、がんという病気を通して見える「いのち」と「お金」について伝えます。

がんライフアドバイザー®を育てる

精神的、肉体的に不安定ながん患者さんには特に、タイムリーな支援が求められます。全国各地にいる、一人でも多くのがん患者さんに支援ができるよう、新たながんライフアドバイザー®を育てていくのも、がんライフアドバイザー®の役割です。

がんライフアドバイザー®になるには

 

がんライフアドバイザー®・初級がんライフアドバイザー®の対象者

・医療資格または介護資格を持ち、医療や介護の現場に従事にしている者

・医療や介護の現場に従事することを目標に、医療資格または介護資格を取得中の者

・医療機関において医療従事者と共に3年以上、がん患者の相談を受けた実績のある者

上記のいずれかに該当する者

※医療資格および介護資格とは医療・介護・福祉系の国家資格または公的資格を指します。

公的資格に関しては当協会で認めるものに限ります。お問い合わせください。

 

がんライフアドバイザー®

当協会が開催しているがんライフアドバイザー®養成講座の全講座を受講し、総合確認テスト終了後、がんライフアドバイザー®養成講座修了証を発行し、がんライフアドバイザー®に認定いたします。
≫がんライフアドバイザー®養成講座について

初級がんライフアドバイザー®

日頃からがん患者支援に携わっている一流の専門家が作成したテキストで、ご自身のペースで隙間時間にPCやスマホなどで学習し、最後に在宅で筆記試験を受け、合格すれば、初級がんライフアドバイザー®に認定いたします。
≫初級がんライフアドバイザー®通信講座について

≫医療・介護従事者向け研修会はこちら

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