活動報告
9.162020
第7期がんライフアドバイザー®養成講座
1日目
5月10日(日)午前9時、オンライン会議システムを利用して第7期がんライフアドバイザー養成講座がスタートしました。
今期は12名の医療、介護従事者の皆さんが全国から受講くださりました。
ライブ配信した講義は『がんと生活設計』の中でも、医療費控除と高額療養費制度について、がん患者さんならではの相談事例を用いてお話ししました。
初めての事例検討は、オンライン上で3グループに分かれてディスカッション、再度皆さんが集まって、グループの代表者に発表してもらいました。
慣れない手段での開催でしたが、最後に画面を通して皆さんの笑顔を見ることができ、このような形でも開催できたことを心から嬉しく思いました。
2日目
月に1度、全5回で開催のがんライフアドバイザー養成講座。
6/14に第2日目を開催しました。
午前は『がんと保険』を4時間。
講師は、当協会代表理事 川崎が務めました。
ご自身が加入されている保険証券を手元に置いて、民間保険の基本から保険の活用法まで、民間保険に絡む相談例を挙げながらお話ししました。
3月に取材を受けて週刊ポストに掲載された内容で、がん保険から給付金が受け取れなかったケースの詳細もいくつかお伝えしました。
リアルな相談例やがん患者さんの声が、即、医療現場でのご相談に役立てばという気持ちです。
午後は『相続と贈与』を3時間。
講師は生活経済ジャーナリストでファイナンスプランナーのいちのせかつみ氏。
オンライン上で、財産を分けて遺言書を書いてみるグループワークをしたり、相続の法律だけでなく、相続にまつわるお金の考え方も含めて講義をしていただいています。
来月も講師の先生方ともお打ち合わせしました。
心のディスタンスを感じないようなオンライン講義をしてくださいます。
3日目
3日目もzoomを使って開催しました。
午前は『社会保障』を4時間。
丸畑雄司氏の講義は、医療介護の視点からお話しくださるので、非常に分かりやすく、面白い。
webや書籍で世に出てる社会保障の解説を難しく感じる医療者の方でも、丸畑氏の講義なら頭に入るのではないでしょうか。
高額療養費、傷病手当金、老齢・障害・遺族年金、失業手当、介護保険、生活保護など網羅してくださいました。
午後は『がん医療』を3時間。
講師は和歌山県立医科大学病院附属病院 腫瘍センターの上田弘樹先生。
臨床現場にいらっしゃる先生から、がんの基礎から最新の治療まで教わることができ、本当に恵まれている講座だと感じました。
がんゲノム医療についても触れていただき、今後への期待と課題を学びました。
遠隔講義ですので、資料やテキスト、確認テストは事前に皆さんに郵送する形をとっています。
今回の受講者の方は、東は愛知から西は沖縄までいらっしゃいます。
最終日には皆がご対面できる状況になっていることを願うばかりです。
4日目
4日目は録画動画の視聴とzoomを使ってのライブ講義で開催しました。
午前は『がんと生活設計』。
今日のテーマはローン、相談に多い住宅ローンを中心に。
金融機関に勤務されている方をゲストティーチャーにお招きし、がん患者さんが住宅ローンの返済が難しくなってきた時の対応策や、ここ最近、商品の種類が増えている団体信用生命保険について教わりました。
また、カードローンについても貴重なVTRを使って、基礎知識から実例まで学びました。
午後は『就労支援』。
相談支援に答えのない就労支援は、たくさんの事例に触れる。
講師は、人事として企業側のご経験もあり、医療機関で相談業務もされている社会保険労務士の染谷由美氏。
就労支援にあたり知っておきたい労働契約や休暇・休職、退職・解雇・雇止め、制度、コミュニケーションなどを学んだあと、正社員、派遣社員、パートタイマー、自営業など、様々な雇用形態に合わせて、どんな情報を得て、どんな支援ができるのかを皆で考えました。
今期は受講者の皆さんが一同に会することができないまま、修了となりそうですが、毎回欠席者はなく、全員が画面上で顔を合わせることができています。
皆さんの意識の高さ、熱心さを感じています。
最終日
最終日は会場とオンラインのハイブリッド形式で開催しました。
会社員の事例、年金生活者の事例、個人事業主の事例など事例検討を重ねました。
患者さんの状況や心情を読み取りながら、広い視点で考えてくださり、患者さんに何を確認したらいいのか、それによってどう応じたらいいのか、これまでの講義で学んだ知識やノウハウも確認しながら深いディスカッションが行われていました。
総合確認テストも会場は紙ベース、オンラインはメールで配信して行い、zoomでつなぎながら実施しました。
会場に来られていた方には、修了証書とがんライフアドバイザー®バッジをお渡し、第7期も終えることができました。
今期の案内を始めた年明けは、まだ新型コロナウィルス感染症は日本で広がっておらず、大阪国際がんセンターで開催する予定でした。
中止にも延期にもせず、オンラインに切り替えて開催できたのは、講師の先生方と受講者の皆さんの理解と協力のおかげです。
当養成講座は合計35時間のオリジナルプログラムです。
オンラインであっても、ディスカッション機能も使いながら、双方向のやりとりを大事にすることで、対面講義のように学んでいただけることが分かりました。
また、オンラインであっても、35時間も共に学べば同志です。
いつか今期のメンバーがご対面できる機会を作れたらと思います。
本当にお疲れ様でした。