活動報告

第3期がんライフアドバイザー®養成講座

がん患者のトータルペインに対応するために、お金の相談にもっと向き合うことができれば…
スキルアップのためにきちんと勉強したい!

そんな医療スタッフの方の声を受け、がんライフアドバイザー協会では、患者と家族のお金や仕事のご相談に、もっと踏み込めるような知識やノウハウを学ぶ『がんライフアドバイザー®養成講座』を開講しています。

1日目

今回の会場は、和歌山市内にある宇都宮病院内の一室。
医療機関が場所をお借しくださっての開催は、医療従事者が対象のこちらの講座にとって、非常に大きな意味があると思っています。

第一日目は午前も午後も、がんライフアドバイザー協会の代表である私が講師を務め、『概論』と『がんと生活設計』の講義。

がんライフアドバイザーとしての活動やマナーから始まり、がんになって生活を再構築するにあたり、知っておきたいがん治療とお金、医療費控除、健康保険の選択などをお話しました。

また、ゲスト講師からは、薬価の付け方やジェネリック医薬品についてのお話を伺い、薬とお金という視点も学びました。

2日目

午前中は『がんと生活設計』で、住宅ローンをはじめ様々なローンについて取り上げ、がん患者さんのご相談に繋がる知識をお伝えしました。

そして、和歌山市内にある宇都宮病院『なるコミ』にてファイナンシャルプランナーの土井紀彦講師による『がんと保険』の講義。

受講者の皆さんの熱心さ、聞き入る講義内容であることは、写真からも伝わってきます。

3日目

3日目の午前中の講師は、北里大学病院の医師、谷野裕一先生。
NPO法人いきいき和歌山がんサポートの理事長でもいらっしゃるので、受講者の皆さんにとって、馴染みのある先生です。
http://jimotoryoku.jp/ikiiki/

講義のテーマは「がん医療」。
それぞれのがんの基礎、緩和医療、アドバンスケアプランニングと在宅療養など、幅広くご講義いただきます。

がんライフアドバイザー®が患者さんが分かる言葉で説明できるように、がんの疫学について講義くださっています。

午後の講師は、社会保険労務士の藤田久子さん。
日々がん患者さんの就労相談に応じていらっしゃっしゃる専門家です。

講義のテーマは『就労支援』。
講義の後は、事例を用いてのグループワーク。

事例で不足している患者さん情報は何か?
それをどうやってヒアリングしていくか?
そこから、がんライフアドバイザー®として、どう考え、アドバイスしていくか?

受講者の皆さんの熱心さと視点の広さに、藤田講師も感心されていました。

4日目

4日目の午前の講師は、丸畑雄司さん。
丸畑講師は、がんライフアドバイザー®認定第一号者。

社会福祉士だけでなく、CFP®も社会保険労務士の資格をお持ちの丸畑講師の元には、院内の患者さんだけでなく、方々の医療機関のスタッフの方からも相談が舞い込まれるそう。

講義のテーマは『社会保障』。
単なる制度の説明ではなく、明日からの相談業務に使える切り口で、社会保障を解説されています。
日々患者さんの相談を受けていらっしゃる受講者の方にとって、これほど興味深い社会保障の講義はないでしょう。
皆さん、丸畑講師のお話に釘付けでした。

午後の講師は、生活経済ジャーナリストでファイナンシャルプランナーのいちのせかつみさん。
講義のテーマは『相続と贈与』。

相続や贈与に関する法律や制度を学ぶ前に、誰もが死に向かって生きている中で、生きている時間をどう使っていくか、という問いかけから講義が始まりました。

「楽しく学ぶ」に加え、「患者さんだけでなく、明日の自分自身にも役立つ」気づきの多い講義だと、第1期、第2期の受講者の皆さんにも好評ないちのせ講師のお話。
会場の空気は、お着物姿で登場された瞬間から、他の講義とは違ういちのせ講師ならではの空気になりました。

5日目

5日目の講師は、がん看護専門看護師の西村裕美子さん。

講義のテーマは『症例と処方箋』。
これまで4日間で学んだことの総まとめとして、患者さんの社会的苦痛(症例)に対し、どうアドバイスする(処方箋を出す)かの講義とグループワークをしています。

働き盛りの会社員の症例、働き盛りの自営業者の症例、派遣社員で働く独身女性の症例、退職後にがんになった症例など、全部で10症例を取り上げます。

午前中のグループワークは、退職間際の会社員の症例。
治療と仕事の両立は可能か、退職のタイミングはどう考えたらいいか、収入はどう確保できるのか、退職した場合はどうなるのか、患者さんの言葉をもとに考えていきました。

午後のグループワークは、年金生活者の症例。
がんになっても老齢年金が定期収入として入るものの、生活費の上に治療費の支出が乗っかり、貯蓄を切り崩し続ける患者さんは、少なくありません。

がんライフアドバイザー®養成講座では、患者さんの傍にいる医療スタッフが、相談をお受けする時の引き出しを増やします。
最後の意思決定は患者さん自身ですが、意思決定を支援するために、引き出しをたくさん持って、患者さんの状況から必要な情報はお伝えし、一緒に考えていきます。
一人でも多くの患者さんの社会的苦痛の緩和、しいてはトータルペインの緩和に繋がりますように。


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