活動報告

企業側のがん治療と就労を学びました

先日、企業側から学ぶがん治療と就労をテーマに、第19回がんライフアドバイザー研修会を開催しました。
従業員数の異なる3つの企業の方を講師にお招きしたのですが、がんという病気や従業員の働く環境づくりへの想いには心を打たれ、それぞれの取り組み方は非常に興味深いものでした。

花王株式会社 研究戦略・企画の山口紀子部長は、ご自身ががん治療と仕事の両立をされた経験を踏まえ、会社はお互い様、がん罹患者は頼る勇気、社員は頼られる準備が必要だと教えてくださいました。また、花王の働きながら治療するための制度や配慮を紹介くださり、いくら制度が整っていても、自分の想いを大切に、物事を整理していくことが大切だとおっしゃいました。
興国車輌株式会社の禿裕隆社長は、初めて従業員からがんを告白された時の気持ちから始まり、少ない従業員の中で皆が無理なく支え合ってきた道のりをお話しくださいました。会社と従業員と保健師の連携によって、さらに従業員の健康を守り、それぞれに合った働き方ができる会社づくりに努めていきたいと、静かに熱い想いを語られました。

株式会社松下産業の松下和正社長は、治療と仕事の両立は企業にとってもプラスであり、そのためにワンストップの窓口を作る独自の体制をとることで、従業員の両立を支援していることをお話しくださいました。また、治療を支える社員の家族もサポートしていく取り組みのお話は、家族支援に取り組む私たちに向けての提言でもありました。

最後の事例検討では、60歳代前半の患者さんが、会社の制度は整い、職場ががんを理解してくれている中で、治療しながらどう働き続けていくのがよいかの相談を取り上げました。治療の見通し、体調、お金、生きがい、家族との時間…その整理に、私たちが早いタイミングで関わっていくことで、後悔のない意思決定に支援につながればと思います。
講師の先生方、参加された皆さま、お疲れ様でした。
ありがとうございました。

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